「高速船構造基準」は、使用する材料ごとに[J1S H 4000、H4000若しくはH4100」又は「日本海事協会鋼船規則K編」に規定された耐力の最小値を用いるので、後者の材質と機械的性質を表3.36に示す。表3.31(板材、H4000)及び表3.32(押出形材、H4100)と比較すれば分かるように、J1S規格に未制定の5456合金板及び同押出形材を除けばJlS規格値と同じであるが、5083−O合金板の厚さ100〜200mmにおける機械的性質を規定している点が異なっている。5456−H116合金板及び5456−H111合金押出形材の各数値はASTM規格*2と同じである。高速船構造基準も溶接によって低下した耐力の値を設計に用いるが、その値が溶接後の引張強さの70%以下という制限がある。また、低下した耐力の値が確認できない場合には、焼なまし材の耐力の最小値を用いるので、5456−O合金のASTM規格値を表3.37に示した。